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NHKプラス、民放ネット放送始まる。テレビの見かた変わる?

2020年からNHK、民放テレビのネット放送が始まりますね!

昨今、若者を中心にテレビ離れが起きていると言われています。「テレビは全く見ないよ。ニュースはTwitterでも解るし、娯楽はYouTubeやNETFLIX、プライムビデオで十分楽しめるよ」という人もいるのではないでしょうか。

そんな中、NHK、民放5社がテレビ放送のインターネット同時配信及び見逃し配信を2020年中に行います。離れつつある若者世代をSNSや動画配信サービスから取り戻す事はできるのでしょうか。またテレビ世代と言われる高齢者世代ではテレビの視聴方法に変化はあるのでしょうか。

NHKは受信料で運営されていますので民放に先駆けてネット放送を発表しましたが、民放はスポンサーや各地方局との利害関係がありますので、なかなかネット配信に踏み切れなかった様です。

ですが、このままジリ貧で業界が衰退していくのを黙ってみている訳にはいかなかったのでしょう。

この記事では、テレビのネット放送がどの様に視聴できるかを現時点で解っている範囲でお伝えすると共に、ネット放送が始まる事により今後のテレビ局の在り方や視聴者の変化があるのかを考えてみたいと思います。

NHKの場合

NHKのネット放送は2020年の4月から始まります。NHKといえば受信料ですよね皆さん払ってますか|ω・)

「N国」が一躍有名になりましたね。ネット配信はどうなるかというと、そこはNHKです。もちろん受信料を払っていない方はサービスを受ける事ができませんのでご注意を。NHKには「びた一文払わねえ」という方は民放の方へどうぞ

サービス概要

サービス名 NHKプラス
開始時期 2020年4月1日  午前6時から翌日午前0時までの18時間程度
※3月1日より施行的に実施
受信媒体 PC、スマートフォン、タブレット
※テレビ一体型端末向けのサービスは当面実施せず
サービス内容 放送の同時配信
見逃し番組配信:放送終了時から起算して7日間視聴可能
配信する放送波 地上2波(総合テレビ、Eテレ)
※サービス開始時は南関東エリア(埼玉、千葉、東京、神奈川)を対象とした放送を全国に配信
ふたかぶせ 番組単位、映像単位での「ふたかぶせ」を行う
※ふたかぶせとは配信件が確保できていない映像に対して映像ではなく静止画を表示すること
配信ビットレート 最大1.5Mbps(SD画質相当)
※回線の状況やアクセス集中で変化あり
音声・字幕 音声2ch(二か国語、解説放送等あり)・字幕あり
提供対象地域 日本国内
サービス利用可能者 受信契約者と生計を同一にする者、受信契約照合後サービス提供
※追加負担なし

上の表を確認すると3月1日から試験的に放送して、4月1日から本放送の様です。

同時配信と放送から1週間以内の番組を視聴できる見逃し配信があります。

画質はSD画質相当(480p)との事ですのでキレイさという意味ではあまり期待できないですね。

今回のサービスはあくまでも放送の補完として行われる様ですので、キレイな映像を見たい人はいままで通りテレビの画面で見て下さいねという事ですね。

テレビ一体型端末の放送は当面実施しないという事ですので、androidTVなどでは視聴できないのかなと思うのですが、当面という事ですのでしばらくしたら開始されるのではないでしょうか。

サービス利用可能な人は契約者と生計を同一、つまり契約者の同居の家族及び親元を離れて暮らす大学生等も含まれる。という事となります。

サービスを利用する者の追加負担はありません。つまり受信料以外の費用はかかりません。

視聴方法

視聴方法はとPCとスマホやタブレットなどのモバイルで違ってきます。以下の様な流れで登録します。

  1. NHKプラスにアクセスする
    PCは専用のホームページから申し込みとなり、モバイルはアプリをダウンロードして申し込み。となります。メールアドレスを登録したらメールが届きますので、必要情報を入力します。この時点で視聴可能です!
  2. 申し込みを行う
    申し込み画面から必要な情報を入力する。(ログインID等の設定)
  3. 確認コードを入力
    受信契約の確認が取れると契約の住所にハガキが届く。ハガキの案内に沿って入力画面で確認コードを入力して本登録完了。

一つの放送受信契約に対して発行できるIDは一つになります。

また一つのIDで視聴できる端末は5台までとなります。

届いたハガキの確認コードを期限内に入力しないと見逃し配信が見られなくなる。

 

既存のNHKオンデマンドはどうなる

NHKオンマインドというサービスをご存じでしょうか。ご存じの方もいらっしゃるかもしれませんが、サービスの概要は下の様になります。

NHKオンデマンドとは

NHKオンデマンドには現在「見逃し見放題パック(月額990円税込み)」「特選見放題パック(月額990円税込み)」の2種類あります。

見逃し見放題パックは放送終了後2週間以内の全NHK放送(BS,BSプレミアム含む)の視聴ができます。

特選見放題パックはNHKのアーカイブの中のドラマやNHKスペシャルなどの特選版組約7000本の視聴ができます。

という事で、今現在でもNHKオンデマンドの見逃し見放題パックで見逃し放送を行っています。「えっ待って、今度から始まるNHKプラスと被ってくるじゃん」と思った方鋭いですね。しかもNHKオンデマンドの見逃し見放題パックは有料です。

おっしゃる通り被ってくる部分があります。でもまるまる被る訳ではありません。見逃し見放題パックは、総合、Eテレに加えBS1、BSプレミアムが視聴できます。もう一点NHKプラスの視聴期間は放送終了後1週間に対し、見逃し見放題パックの視聴期間は放送終了後2週間となっています

NHKオンデマンドが変わります

NHKオンデマンドを現在利用している方、または利用しようと検討している方に朗報があります

NHKプラスの試験放送開始の3/1から見逃し見放題パックと特選見放題パックの両方の番組を見る事が可能な「まるごと見放題パック(月額990円税込み)」が開始されます。

いままで両方のサービスを利用すると月額1,980円税込みかかっていましたが、NHKプラスとサービス内容が被る見放題パックの費用見直しは当然と言えます。

ただしBSとBSプレミアムが視聴できるのはオンデマンドのみですので、特選見放題パックを視聴したいと考えている方は加えてBS、BSプレミアムの見逃しも視聴できる様になるのでその分お得になります。

東京オリンピック時には特設サイト「東京2020オリンピック・パラリンピックサイト」が設けられる模様。競技の映像・音声のリアルタイム提供やハイライト動画の配信を行う予定

民放5社の場合

民放は2020年の秋にネット同時配信に向けて調整中の段階になります。過去には2018年のW杯ロシア大会を最初に何度か同時配信の実験を行っています。同時配信については詳しく発表されていませんが、やはり「TVer」での配信となると言われています。今でもドラマを見逃した時などに利用される方はいらっしゃるのではないのでしょうか。

TVer(ティーバー)とは

民放5社で共同運営する公式テレビポータルサイトの事。また大手広告代理店も出資している。民放5社とはキー局と言われる「日本テレビ、テレビ朝日、TBSテレビ、フジテレビ、テレビ東京」の事である。無料で放送から1週間程度の期間見逃し配信が行われる。通常放送と同様にCMが流れる。当初は先程記した5社での放送配信だったが、追って各地方局も参入し現在では北海道から沖縄までのご当地番組も視聴できる。2019年からはNHKも参入した。

民放の同時配信については問題点も多く次の様な課題があります。

  1. どのエリアの放送を配信するのか民放はキー局と地方局によって同じ時間帯でも放送されている番組が違う事がざらにある。キー局の放送を流す事になると思われるが、地方局の反発も予想される。
  2. コストがかかるこれはNHKも一緒の事だが、ネット同時配信には設備や配信システムの構築などに当然費用がかかる。民放はスポンサーからの広告料で運営されているためコストのかかる同時配信には消極的だった。
  3. ローカルCMをどうするのかキー局といえども関東にあるのでそのエリアのスポンサーのCMを流している。同時放送の時にはどうするのか。地方では差し替えやフタかぶせなどで対応することになる。
  4. すべての時間帯で同時放送するのかすべての時間帯での放送となると先程もでてきた様にコストの問題がある。また運用や管理に人材を割かないといけない。
  5. 収益につなげる事は出来るのか先程からコストコストと言っているが、民放はつまる所収益をあげないと事業を維持できなくなる。TVerには広告代理店(電通等)も出資しているのでスポンサーとの調整を行っていると思われるが、テレビ離れを言われているなかスポンサーが果たしてつくのか。

両者を比較してみて

こうして比べてみると、NHKの方が一歩先に進んでいます。思ったのですが民放はスポンサーとの契約や地方局との絡みがあり独自に決める事ができない内容が多くなかなか前に進みません。

一方受信料で運営するNHKはなんのしがらみも無く独自に決める事ができます。一部政党に強烈に足を引っ張られていますが(笑)母体が大きいのでびくともしません。

他の動画配信サービスにも共通していますが、ユーザーからダイレクトに費用回収できるサブスプリクション形式(定期購入)は本当にネットビジネスに合っているなと思います。(NHKもサブスクだと思ってます。しかも強制力が強い(笑))番組を作る際もスポンサーの意向を気にする事がありませんので、本当に面白いと思う独自のコンテンツを作成できます。

民放の番組ですが、報道番組などでもスポンサーがついています。スポンサーというのは言い換えるとクライアント、お客様ですね。そのお客様に何か不利益な内容を報道しようと思いますか。本当は報道番組こそ放送局独自で発信するべきであると思います。

私の中の結論としては、やはり一番大事なのはおもしろいコンテンツを作る事にあると思います。ネット配信やYouTubeなどはユーザーへの伝達手段ですよね。その中で実際に選ばれるのは圧倒的に面白い、興味をそそる動画になりますよね。面白くない動画を見る人は少ないです。

両者のサービスの比較をしようと思ったのが、今後の番組制作論みたいになってしまいました。というのも民放側があまりにも進捗が遅く、鎖でしばられている状況が改めてわかってしまったからです。脱線したのは、うん、民放のせいだ(笑)

※言い訳しておくと私はNHK信者でもなんでもなく、放送業界を取り巻いている状況をみて、ただただ純粋にNHKが有利だなと思っただけです。

5Gが私たちの視聴スタイルを変える?

2020年から携帯電話の5Gが始まります。今までの100倍のスピードで通信できると言われています。理論上は動画のストリーミングも一瞬で通信できてしまいます。現実的な所でいうと通信料金の問題ですが、当初4Gサービスが始まった時は通信料が高かったですが、普及し始めると料金が落ち着いてきました。5Gにも同じことが言えると思います。また通信量が膨大になってきますので、おそらく定額制になるのではと言われています。

5G網が普及してくると、手持ちのスマホで外出にいままでよりもっと気軽に動画を視聴する事が増えてくると思います。ですので常時ニュースの放送をライブ配信している専門番組やバラエティー専門などの専門チャンネルが選ばれてくるのではないかと思います。

どちらにしろ将来どの様なサービスになっていくのか楽しみですね。

最後までお付き合い頂きありがとうございました。